スポーツ

2010年5月23日 (日)

【みんな生きている】脱北者女子プロボクサー編

北朝鮮から韓国に逃れた脱北者。
今では2万人近くが韓国で暮らしているが、北朝鮮との環境の違いから韓国での生活に適応出来ない人も少なくない。
こうした中、一人の女性の活躍が注目を集めている。

ソウル近郊に住むチェ・ヒョンミさん(19歳)。
北朝鮮から韓国に逃れて来た脱北者だ。
チェさんはプロボクサーで、現在WBA(世界ボクシング協会)女子フェザー級の世界チャンピオンだ。

平壌で生まれたチェさんは幼いときから体格と身体能力に恵まれ、スポーツ専門学校の特待生として13歳からボクシングを始めた。

しかし、6年前北朝鮮での厳しい生活に見切りをつけた両親に連れられ韓国に亡命した。

その後もボクシングへの情熱は変わることなく練習を重ねたチェさん。プロ試験に合格し、一昨年念願の世界チャンピオンになった。

「韓国での生活に慣れずに苦労する脱北者はたくさんいます。でも、自分が何かを叶えようとする気持ちがあれば、やっていけるんです」
(チェさん)

チェさんの両親は慣れない韓国での生活の中で、1日10時間以上の猛練習に耐える娘の姿を見守って来た。
「親の前では気丈に振る舞っていても、シャワーを浴びながら一人で泣いているなんてこともありました」
(チェさんのお母さん)

そんなチェさんが今年、新たな挑戦を決意した。
大学に入学し、スポーツ科学の勉強にも力を入れ始めたのだ。
ボクシング漬けの毎日だったチェさんにとって、大学でできた友人の存在は力強い心の支えだ。

先月末、3回目の防衛戦を迎えた。相手はフェザー級No.2の実力選手だ。会場には多くの大学の仲間が応援に駆けつけた。

試合の序盤、主導権をつかんだチェさん。しかし、中盤以降相手のパンチを浴びる。
チェさんは友人たちの声援を背に反撃に出る。

判定の結果、チェさんはチャンピオンベルトを守った。

「今後も大変なことはあると思いますが、努力を続ければ良い結果や喜びが自ずとついて来ると思います」
(チェさん)

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